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踊り子と将棋指し

定価¥1,300円(税別)

踊り子と将棋指し

坂上琴

“依存症でインポの役立たず”な男の正体とは!

公園で目覚めた男は、呑み過ぎか自分の名前すらわからない。やがて、拾ってくれたストリッパーと巡業の旅へ。大阪・天満、南紀・白浜──巡業のなかでわかってくる意外な真実。第10回小説現代長編新人賞受賞作。


あらすじ

 ある朝、横須賀のペリー公園で寝ていたところを小犬に起こされた男は、呑み過ぎたせいか、自分の名前すら思い出せない。すぐに犬の飼い主の聖良という女性が現れ、男は「三ちゃん」と呼ばれる。前の晩にいっしょに呑んでいたようだ。三ちゃんがどうやらアルコール依存症らしいとわかり、聖良は同情してマンションの自分の部屋に住まわせてくれるという。依存症の男はインポで安全だからと。聖良の本名は依子といって、現役のストリッパー。「そろそろ干支が回る」とか。二人と一匹のおかしな共同生活がはじまり、三ちゃんは横須賀で主夫を務める。しばらくして、依子に大阪・天満劇場での仕事が入る。三ちゃんも同行することになり、ヒモではまずいので、マネージャー・小田三郎と名乗ることにする。ストリップの踊り子と、「依存症でインポの役立たず」の三ちゃんが、小犬を連れて大阪の旅巡業へ。天満で無難にマネージャー役をこなしていた三ちゃんだったが、劇場の楽屋で暇つぶしに指した将棋が元で、100万単位の金が動く真剣勝負に巻き込まれてしまう。勝負の思わぬ結果に、三ちゃんの正体が見え隠れする。この男はいったい何者なのだ!

編集者より

なんといっても著者本人の個性が際立っていて、刊行前にマスコミ各紙誌から多数のインタビューがありました。相撲、将棋、新聞記者、アルコール依存症など、いろいろな経験をお持ちなのですが、今回の作品に即して言えば、坂上さんは「ストリッパー」にも造詣が深いということがわかりました。各地のいろいろな劇場に出掛け、踊り子さんをしっかりチェック。ヒロイン役の依子は、好みの踊り子さんの何人かをミックスして作り上げたのだとか。もちろん、いっしょに食事とかもしたことがあるそうです。作中の食べ物もそうですが、登場人物まで匂い立つような描写ができるのも、そんな取材力の賜物でしょうか。「大人の小説」という感想が聞かれる本作、2016年最初の読書に、ぜひ!

著者

坂上琴(さかがみ・こと)

1961年、広島県生まれ。京都大学文学部に入学。大学では相撲部に入部し、主将を務める。同大学史学科を卒業後、毎日新聞社に入社。姫路・高松支局を経て大阪本社社会部へ配属に。2012年にアルコール依存症と診断され、断酒治療を受ける。’14年、毎日新聞社を退社し、現在執筆活動に励む。

坂上琴の好評既刊

    なし