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トップ > 単行本紹介 > 阿蘭陀西鶴

阿蘭陀西鶴

定価¥1,600円(税別)

阿蘭陀西鶴(おらんださいかく)

朝井まかて

第31回織田作之助賞受賞!

ほんま、はた迷惑なお父はんや

本邦初のベストセラー作家にして、エンタメ小説の産みの親・井原西鶴に挑む
直木賞受賞第1作!

スペシャルページ

あらすじ

「好色一代男」「世間胸算用」などの浮世草子で知られる井原西鶴は寛永19年(1642)生まれで、松尾芭蕉や近松門左衛門と同時代を生きた俳諧師でもあり浄瑠璃作者でもあった。若くして妻を亡くし、町人文化が花開きつつあった大坂で、全身全霊をこめて創作に打ち込み、官能・恋愛・青春・社会派・経済物ほか新ジャンルの物語を次々と生み出した天才作家・西鶴。
だが、ともに暮らす盲目の娘おあいにとっては、噂話や人付き合い大好き、片時もじっとしていられず、奇天烈な言動を繰り返す、なんとも厄介な父だった。

書評

大阪という街に生きる人々の哀歓や挫折、あるいは、雑踏や人いきれが見事に描かれている。正に〈俗中之真〉ともいうべき傑作だ。
(縄田一男氏/文芸評論家/週刊新潮12月4日号)

西鶴、おあい二人の生活がゆかしくて、いつまでも読みたい、もっともっと読みたいと名残惜しくて仕方がなかった。また、おあいが作る料理がどれもすばらしく、読んでいて楽しい。
(原田ひ香氏/作家/週刊文春10月16日号)

浪速者の心意気や町人文化を巧みに表現する朝井さんの筆は、独特なリズム感に溢れており、とにかく読んでいて痛快なのだ。
(山内昌之氏/東京大学名誉教授/週刊現代10月4日号)

終盤、おあいが心の中で父に向けて呼びかけた一文には、泣けた。まさにこれが小説の持つ力だと確信できた。
(大矢博子氏/書評家/産経新聞10月5日)

ああ、やっぱりまかてさんには泣かされる。いやはや敬服いたしました。
(紀伊國屋書店・新宿南店/竹田勇生さん)

マルチな才能を持った西鶴が、こんなに娘想いのお父さんだったとは!
(有隣堂・伊勢佐木町本店/佐伯敦子さん)

体温まで伝わる深い情……余韻のあるラストに思い切り涙しました。
(三省堂書店・神保町本店/内田剛さん)

作品全体に温かさが溢れていました。娘に生きるすべを遺した母の愛情が伝わってきました。
(MARUZEN・名古屋栄店/竹腰香里さん)

西鶴ってこんなにおもろい人生送ったんやろかとうらやましい気がしてきます。
(丸善・丸の内本店/三瓶ひとみさん)

著者・朝井まかての執筆動機

 現代の私たちにとって西鶴は、芭蕉や近松に比べて少し遠い存在であるように思います。私たちは芭蕉の句のいくつかを諳んじ、近松は今日も上演されています。でも、西鶴の作品は題を知っていても読んでいるという人は少ないのではないでしょうか。
 研究者によっては彼を<日本初の無頼派>とも表現していますが、彼の人生はほとんど謎で、ごくわずかに残された史実しかありません。書き手としては、俳諧師である彼がなぜ物語を書いたのか、彼の人生そのものにも迫ってみたくなったのです。
 彼はたった一人で、浮世の物語世界を開きました。そのことをどう楽しみながら読んでもらえるかが、現代のエンタメ作家としての私の挑戦です。

編集者より

「次は井原西鶴を書く」ということは、直木賞を受賞した『恋歌』が刊行されるより前に決まっていました。企画当初のキャッチフレーズは、上記著者による執筆動機にありますように、<日本初の無頼派>でした。それが執筆準備を進めているうちに、<日本初のラノベ作家>になり、<本邦初のベストセラー作家にして、エンタメ小説の産みの親>となりました。曖昧かつわずかにしか残されていない史実から、朝井氏は少しずつ自分なりの解釈を掘り下げて、謎多き井原西鶴という名前に、血肉の通った実像を与えたのです。日本初のベストセラー作家は紫式部では、という突っ込みを受けそうですが、『源氏物語』は平安時代の貴族階級という極めて狭い読者層に向けて書かれた作品です。西鶴は、庶民のための庶民の物語で一世を風靡しました。本書が、大衆文学に与えられる直木賞の受賞第1作であることは、前述のように偶然ですが、「著者から小説への恩返し」になっていることは偶然ではありません。

著者

朝井まかて(あさい・まかて)

1959年、大阪生まれ。甲南女子大学文学部卒業。コピーライターとして広告制作会社に勤務後、独立。2008年、第3回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞してデビュー。受賞作は『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』と改題され、講談社文庫に収録されている。2013年、幕末から明治を生きた歌人・中島歌子の一生を描いた『恋歌』で第3回本屋が選ぶ時代小説大賞、2014年に同書で第150回直木賞を受賞。他の著書に『ちゃんちゃら』『すかたん』『先生のお庭番』『ぬけまいる』がある。

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